美容室の内装デザインの流れとデザインスタイルについて解説

美容室の内装デザインの考え方と、美容室のデザインによく用いられている、アンティークやレトロ、ポップなどのデザインスタイルについて解説しています。

美容室は、内装デザインがとても重要なビジネスです。美容室を探している顧客は、カットの技術はもちろんのこと、居心地の良さも求めています。居心地の良い空間できれいになる自分を想像して、顧客はインターネットやSNSを渡り歩いているのです。この記事では、美容室の開業をお考えの方へ、内装デザインの考え方と、美容室のデザインによく用いられているデザインスタイルについて解説しています。

内装デザインの前にコンセプトを決定

美容室を開く前に絶対にやらなければならないことがあります。コンセプトの決定です。美容室の内装デザインには、コンセプトを落とし込み、顧客を魅了する役目があります。そのため、内装デザインの前に、コンセプトをしっかり定めておかなければなりません。

コンセプトとターゲットとなる顧客

コンセプトをはっきりさせるには、ターゲットとなる顧客像をイメージしましょう。ただし、ターゲットをイメージする際は、「こういう人に来てもらいたい」ではなく、「このエリアにはこういう人がいてターゲットになる」と考えたほうがうまくいきます。もちろん、「こういう人に来てもらいたい」でもいいのですが、エリアを絞り込むのに苦労するかもしれません。

内装デザインの方向性を決定

美容室のコンセプトとターゲットとなる顧客がはっきりしたら、今度は内装デザインの方向性を決定します。美容室によく使われるテイストを参考にして、それを調整するイメージで方向性を決めていけばいいでしょう。たとえば、アンティークな雰囲気の内装でも、ホワイトを基調にすれば明るい雰囲気になりますし、暖色を使えばアンティークがより強調された雰囲気になります。このように、内装デザインはカラーやトーンによって大きくイメージが変わるため、試行錯誤しながら、コンセプトに合った、ターゲットとなる顧客が求める内装デザインの方向性を決定します。

美容室の内装デザインを決定

内装デザインの方向性が定まったら、いよいよ美容室の内装デザインを決定します。美容室のデザインは、おしゃれで落ち着ける空間でなければなりませんが、それだけでもダメです。

美容室の内装デザインは、顧客にとって居心地がよく、そして魅力的になれる空間であることが大前提です。そのうえで、顧客とスタッフの動線を考慮し、機能的でなければなりません。

美容室の内装デザインでは、考慮しなければならないことがたくさんあります。たとえば、美容室には鏡がたくさんあります。顧客は美容室で、地球上のどこよりも多く、自身と向き合うことになります。そうすると、顧客の視線は鏡を通してほかの部分にも移ります。このとき、稚拙な内装デザインだと、鏡を通して、見えるべきでない場所が見えてしまうことがあります。これは、カスタマーエクスペリエンスを考えると最悪です。繰り返しますが、顧客は居心地の良さを求めて美容室に来るのに、たとえば洗濯物が雑然と置かれている場所が見えてしまったら、気分を害してしまうかもしれません。

顧客とスタッフの動線も、カスタマーエクスペリエンスに影響する要素です。顧客とスタッフの動線が交錯するような内装デザインだと、顧客にとっては居心地が悪くなりますし、スタッフにとってはイライラの原因になるでしょう。イライラがつのると、美容室自体の雰囲気が悪くなり、顧客は「また来たい」と思えなくなります。これでは悪循環です。

機能的にデザインされた美容室は、当然、スタッフにとって働きやすい美容室です。美容室では、カットした髪の毛を頻繁に掃除します。この際、髪の毛を掃きやすく、集めやすい床材を使うことで、作業効率を上げられます。水を使う洗髪台の周囲は防水加工すると掃除が楽になります。なんでも美しさやかっこよさだけを考えてデザインしてしまうと、とても働きにくい美容室になってしまいます。

そのため、美容室の内装デザインは、美容室の内装デザインを得意とする専門の業者に依頼するとうまくいきます。

美容室によく用いられるデザインスタイル

内装デザインの考え方をご紹介したところで、今度は美容室によく用いられているデザインスタイルについてご紹介しましょう。美容室は顧客にとって心地良い場所でなければならないので、これらのデザインスタイルを参考に、オリジナリティあふれる内装を考えてみてください。

レトロデザイン

レトロな雰囲気の美容室は、年代を問わず人気です。カラーやトーンを調整することで、なつかしさの度合いを調整できますが、一歩間違うと「ダサい」と感じられてしまうので、デザインは慎重に行う必要があります。

ポップデザイン

ポップな雰囲気の美容室は、どちらかというと若年層に人気です。レトロとポップは相性がいいので、家具選びやカラーチョイスを工夫すると、狙いの顧客層に響くデザインにできるでしょう。

シンプルなモノトーンデザイン

シンプルなモノトーンデザインの美容室は、どちらかというと中高年に好まれます。冷たい雰囲気になりがちなので、センスが求められるデザインです。「清潔」や「スタイリッシュさ」を求める顧客にとって居心地のいい空間になるでしょう。

モダンデザイン

モダンなデザインの美容室は、スケルトンを思わせるほど装飾性のないシンプルさが魅力です。内装デザインはシンプルの極みなので、その分、内装デザインにかかる費用は安く済みます。ただ、これだけだと物足りなさを感じさせる可能性があるため、インテリアには気を遣う必要があるでしょう。

ナチュラルデザイン

多くの美容室が採用しているナチュラルデザイン。落ち着いた、居心地のよい雰囲気を作りやすいスタイルです。カントリー雑貨など、自然由来のインテリアや小物などとの相性が抜群です。インテリアや小物のチョイスを変えると、狙いの顧客層向けに雰囲気を微調整できます。

ラグジュアリーデザイン

これでもかというぐらい高級感が前面に押し出されたデザインも、美容室ならありでしょう。ただし、ニセモノの高級感では、それこそ馬鹿にされてしまいます。本物のラグジュアリーを目指すなら、お金を使ってとことん作り込む必要があるでしょう。

部分的に高級感を出したい場合は、導入する家具や什器を高い物にしたり、落ち着いたトーンのカラーを選択したりするといいでしょう。

美容室の内装デザインで重要なアイテム選び

美容室の内装デザインでは、全体的なデザインスタイルとともに、アイテム選びも重要です。せっかくラグジュアリーデザインにしたのに、使われている小物や備品がどう見ても100均で手に入れられる物ではかっこがつきません。

内装デザインとは関係なさそうに見えても、小物や雑貨などのアイテムは、雰囲気をこわす原因になることがあるので、できるだけ内装デザインとの調和を考慮して選ぶことをおすすめします。

まとめ

美容室の内装デザインの考え方や、デザインスタイルについてご紹介してきました。美容室の内装デザインは、美容室のコンセプトとターゲットとなる顧客のニーズを考えて作り上げます。美容室の内装デザインは特殊な部分が多く、専門の業者に依頼するのが一般的ですが、相談する際は、ぜひご紹介した知識を生かしていただければ幸いです。